KEN SASAKI International Tax Accountant Office

店舗併用住宅を売ったときの譲渡所得の特例

お役立ち情報

 個人が、自分の居住の用に使っている家屋とその敷地を売って一定の要件に当てはまるときは、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例などが受けられます。

 1つの家屋の中に居住用部分と店舗用部分が一緒になっている店舗併用住宅を売ったときに、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例などの適用を受けることができるのは、店舗併用住宅のうち自分の居住の用に使っていた部分に限られます。
 なお、居住の用に使っていた部分が全体の90パーセント以上であるときは、全体を居住の用に使っていたものとしてこれらの特例の適用を受けることができます。

対象者または対象物
店舗併用住宅を売った方

計算方法・計算式
イ 家屋のうち居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とします。

ロ 家屋の敷地のうち居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とします。

根拠法令等
措法35、
措通31の3-7~8、35-6

租税特別措置法
第三十五条 個人の有する資産が、居住用財産を譲渡した場合に該当することとなつた場合には、その年中にその該当することとなつた全部の資産の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から三千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には当該資産の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には三千万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該資産の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から三千万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項に規定する居住用財産を譲渡した場合とは、次に掲げる場合(当該個人がその年の前年又は前々年において既に同項(次項の規定により適用する場合を除く。)又は第三十六条の二、第三十六条の五、第四十一条の五若しくは第四十一条の五の二の規定の適用を受けている場合を除く。)をいう。
一 その居住の用に供している家屋で政令で定めるもの(以下この項において「居住用家屋」という。)の譲渡(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの及び所得税法第五十八条の規定又は第三十三条から第三十三条の四まで、第三十七条、第三十七条の四若しくは第三十七条の八の規定の適用を受けるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)又は居住用家屋とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。以下この項及び次項において同じ。)をした場合
二 災害により滅失した居住用家屋の敷地の用に供されていた土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡又は居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものの譲渡若しくは居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものとともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡を、これらの居住用家屋が当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にした場合
3 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下第五項までにおいて同じ。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。以下この項において同じ。)が、平成二十八年四月一日から令和五年十二月三十一日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にしたものに限るものとし、第三十九条の規定の適用を受けるもの及びその譲渡の対価の額が一億円を超えるものを除く。以下この条において「対象譲渡」という。)をした場合(当該相続人が既に当該相続又は遺贈に係る当該被相続人居住用家屋又は当該被相続人居住用家屋の敷地等の対象譲渡についてこの項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、第一項に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、同項の規定を適用する。
一 当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(当該相続の時後に当該被相続人居住用家屋につき行われた増築、改築(当該被相続人居住用家屋の全部の取壊し又は除却をした後にするもの及びその全部が滅失をした後にするものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含むものとし、次に掲げる要件を満たすものに限る。以下この号において同じ。)の政令で定める部分の譲渡又は当該被相続人居住用家屋とともにする当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡
イ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ロ 当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準として政令で定めるものに適合するものであること。
二 当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の全部の取壊し若しくは除却をした後又はその全部が滅失をした後における当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(ロ及びハに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡
イ 当該相続の時から当該取壊し、除却又は滅失の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ロ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ハ 当該取壊し、除却又は滅失の時から当該譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。
4 前項及び次項に規定する被相続人居住用家屋とは、当該相続の開始の直前において当該相続又は遺贈に係る被相続人(包括遺贈者を含む。以下この項及び次項において同じ。)の居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由(以下この項及び次項において「特定事由」という。)により当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(政令で定める要件を満たす場合に限る。)における当該特定事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用(第三号において「対象従前居住の用」という。)を含む。)に供されていた家屋(次に掲げる要件を満たすものに限る。)で政令で定めるものをいい、前項及び次項に規定する被相続人居住用家屋の敷地等とは、当該相続の開始の直前において当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地として政令で定めるもの又は当該土地の上に存する権利をいう。
一 昭和五十六年五月三十一日以前に建築されたこと。
二 建物の区分所有等に関する法律第一条の規定に該当する建物でないこと。
三 当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと(当該被相続人の当該居住の用に供されていた家屋が対象従前居住の用に供されていた家屋である場合には、当該特定事由により当該家屋が居住の用に供されなくなる直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと。)。
5 第三項の規定は、当該相続又は遺贈による被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。次項から第八項までにおいて「居住用家屋取得相続人」という。)が、当該相続の時から第三項の規定の適用を受ける者の対象譲渡をした日の属する年の十二月三十一日までの間に、当該対象譲渡をした資産と当該相続の開始の直前において一体として当該被相続人の居住の用(特定事由により当該被相続人居住用家屋が当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(前項に規定する政令で定める要件を満たす場合に限る。)には、政令で定める用途)に供されていた家屋(当該相続の時後に当該家屋につき行われた増築、改築(当該家屋の全部の取壊し又は除却をした後にするもの及びその全部が滅失をした後にするものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含む。)で政令で定めるもの又は当該家屋の敷地の用に供されていた土地として政令で定めるもの若しくは当該土地の上に存する権利(次項において「対象譲渡資産一体家屋等」という。)の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含み、第三十三条の四第一項に規定する収用交換等による譲渡その他の政令で定める譲渡(次項において「収用交換等による譲渡」という。)を除く。以下この条において「適用前譲渡」という。)をしている場合において、当該適用前譲渡に係る対価の額と当該対象譲渡に係る対価の額との合計額が一億円を超えることとなるときは、適用しない。
6 第三項の規定は、居住用家屋取得相続人が、同項の規定の適用を受ける者の対象譲渡をした日の属する年の翌年一月一日から当該対象譲渡をした日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に、対象譲渡資産一体家屋等の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含み、収用交換等による譲渡を除く。以下この条において「適用後譲渡」という。)をした場合において、当該適用後譲渡に係る対価の額と当該対象譲渡に係る対価の額(適用前譲渡がある場合には、前項の合計額)との合計額が一億円を超えることとなつたときは、適用しない。
7 第三項の規定の適用を受けようとする者は、他の居住用家屋取得相続人に対し、対象譲渡をした旨、対象譲渡をした日その他参考となるべき事項の通知をしなければならない。この場合において、当該通知を受けた居住用家屋取得相続人で適用前譲渡をしている者は当該通知を受けた後遅滞なく、当該通知を受けた居住用家屋取得相続人で適用後譲渡をした者は当該適用後譲渡をした後遅滞なく、それぞれ、当該通知をした者に対し、その譲渡をした旨、その譲渡をした日、その譲渡の対価の額その他参考となるべき事項の通知をしなければならない。
8 対象譲渡につき第三項の規定の適用を受けている者は、第六項の規定に該当することとなつた場合には、居住用家屋取得相続人がその該当することとなつた適用後譲渡をした日から四月を経過する日までに当該対象譲渡をした日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
9 前項の規定に該当する場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
10 第三十三条の五第三項の規定は、第八項の規定による修正申告書及び前項の更正について準用する。この場合において、同条第三項第一号及び第二号中「第一項に規定する提出期限」とあるのは「第三十五条第八項に規定する提出期限」と、同号中「第三十三条の五第一項」とあるのは「第三十五条第八項」と読み替えるものとする。
11 第一項の規定は、その適用を受けようとする者の同項に規定する資産の譲渡をした日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨その他の財務省令で定める事項の記載があり、かつ、当該譲渡による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
12 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
13 第四項から前項までに定めるもののほか、適用前譲渡及び適用後譲渡の対価の額の算定の方法その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて
(店舗兼住宅等の居住部分の判定)
31の3-7 その居住の用に供している家屋のうちに居住の用以外の用に供されている部分のある家屋に係る措置法令第20条の3第2項に規定するその居住の用に供している部分及び当該家屋の敷地の用に供されている土地等のうちその居住の用に供している部分は、次により判定するものとする。(平22課資3-4、課個2-14、課審6-20改正)

(1) 当該家屋のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。

(2) 当該土地等のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。

(注) その居住の用に供している家屋のうちに居住の用以外の用に供されている部分のある家屋又は当該家屋の敷地の用に供されている土地等をその居住の用に供されなくなった後において譲渡した場合における当該家屋又は当該土地等のうちその居住の用に供している部分の判定は、当該家屋又は当該土地等をその居住の用に供されなくなった時の直前における利用状況に基づいて行い、その居住の用に供されなくなった後における利用状況は、この判定には関係がない。

(店舗等部分の割合が低い家屋)
31の3-8 その居住の用に供している家屋又は当該家屋の敷地の用に供されている土地等のうち31の3-7により計算したその居住の用に供している部分がそれぞれ当該家屋又は当該土地等のおおむね90%以上である場合には、当該家屋又は当該土地等の全部がその居住の用に供している部分に該当するものとして取り扱って差し支えない。

(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する取扱いの準用)
35-6 その者が譲渡した家屋若しくは土地等が措置法第35条第2項各号に規定する資産に該当するかどうか又はこれらの資産の譲渡が同項各号に規定する譲渡に該当するかどうかの判定等については、31の3-2、31の3-6から31の3-15まで、31の3-17、31の3-18及び31の3-20から31の3-27までに準じて取扱うものとする。(平28課資3-4、課個2-33、課審7-11、徴管6-24改正)