KEN SASAKI International Tax Accountant Office

海外勤務から帰国した場合の所得税の確定申告と納税管理人の解任

お役立ち情報

 弊所のHPのアクセスを解析したところ海外勤務に伴う所得税の手続きに関する検索によるヒットが多かったことから海外勤務と非居住者そして納税管理人の注意点について、今回から数回に渡ってお話をしたいと思います。 
 既に、「海外転勤と準確定申告や納税管理人選任の手続き」と題して、一度お話をしていますが、今回は「海外勤務から帰国した時の所得税の確定申告と納税管理人の解任」についてお話しします。

概要
 給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には、日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。
 非居住者の場合、国内源泉所得(例えば、国内不動産の賃貸料収入など)のみが課税対象とされ、日本の法人の役員の場合を除き海外勤務に基づき支給される給与は課税されません。
 しかし、非居住者に該当していた海外勤務者が、日本に帰国した後は居住者となりますので、居住者となる帰国後は国内源泉所得に限らずすべての所得が課税の対象となります。
 なお、帰国後の勤務に対する給与については年末調整の対象になります。
 したがって、帰国した年分の確定申告は帰国前の国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除きます。)と帰国後のすべての所得を合計して計算することになります。

手続き
 次の人は原則として確定申告をする必要があります。
(1)帰国後の給与の収入金額が2,000万円を超える人
(2)帰国前の国内源泉所得と帰国後の年末調整の対象とされた給与および退職所得以外の所得の合計金額が20万円を超える人

注意事項
 確定申告に際して適用する各種所得控除について、以下の点にご注意ください。
1 医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の各控除の額は、居住者期間(帰国後)に支払ったこれらの金額を基として計算します。
2 配偶者(特別)控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除および勤労学生控除の各控除の額は、その年の12月31日の現況により判定したところで計算します。

 出国時に納税管理人の選任をされている方は、帰国後に納税管理人の解任届出書を所轄税務署長に提出することも忘れないようにしてください。

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